日米文化、一体どう違うの?

日本とアメリカは違った国...と言うのは簡単だが。

どうちがうの?の問いに正確に答えることは難しいけれど、方法はもっと面白い。

簡潔にいうと、アメリカは自己主張と個人主義に基づくロウコンテクスト文化。日本は合意形成型のハイコンテクスト文化。

どういう意味?と思っているかもしれない。

社会学者は、社会をロウコンテクスト・ハイコンテクストに分けて定義する。ハイコンテクスト文化は日本を含め、タイ、ロシアなどがある。規則は重要で、伝統は価値 があり、適時性は重視される。ロウコンテクスト文化には米国、イスラエル、ニュージーランドなどがある。規則は柔軟に守られ、伝統を破る事はしばしば。遅刻を許す 傾向があり、それほど重要なこととは考えられない。

日本は世界で最もハイコンテクスト社会の一つと考えられている。歩道で、周りに車がなくても、赤信号では道路は渡らない。パーティーなどには日本人は時間通りに来 る。日本人は暗黙の同意を好むので、契約書はそれほど重要視されない。日本社会には公に言われなくとも守るべきルールがあり、それに従うことが期待されている。

アメリカは一般的にロウコンテクスト。歩行者は周りに車がいても信号を無視する。 パーティーに少々遅く着くのが一般的。アメリカ人は日本人より社会的規則や決め事 を破る傾向が強いので、同意書や契約書は必要不可欠になる。

日本社会は合意形成型。どのグループに属しているかはアメリカよりも重要だ。例えば、起業家シップ(エンタープラナーシップ)はそれほど見られなく、求職者は大手企業に雇われたがる。学校の入学式、会社の入社式、そして成人式など、日本人は好んで参加する。

日本社会は前例を厳密に守る。アメリカより、一旦決まった規則やグループ・団体の合意は変えにくい。70年代、80年代、政府指示のもと日本企業が成功した例を見るように、形成された合意が有効であれば大成果に繋がる。しかし、同時に、89年バブル崩壊後の90年代には、日本は必要とされた改革を取り入れるのを躊躇した。 合意に反する行動を嫌がったためである。

アメリカは個人主義である以上に、自己主張の文化でもある。アメリカ人は自分の声を社会に聞いて欲しいだけではなく、社会を変えたがる思いが強い。エンタープラナーシップは日本より多く見られるだけでなく、社会的に後押しさ れ、尊重される。発言の自由と民主主義の基盤より、マイノリティー運動に繋がる。 公民権運動、女性解放運動などによって、社会に影響力を求め、抗議が行われる。

アメリカの個人主義は卒業や退職が日本より重視されることにも現れる。アメリカ社 会は日本より権威を信用していない傾向がある。

この結果、アメリカ国内は、よく言われる「文化のるつぼ」で、対立した社会にな る。政治的に、イデオロギー的に、そして人種的、ジェンダー的に。それぞれが自身の声の社会的影響力を求め、主張しようとしている。

社会モデルの違いは両国がどう首相を選ぶかにも現れる。アメリカでは、大統領は議 論・論争の中、選挙人システムによって直接選ばれる。日本は総理大臣が国会で選出され、合意のもと選ばれる。

この違いは組織がどのように機能するかによっても確認することができる。米国政府と企業の行動は日本のより柔軟性がある。その反面、米国組織は長期的ビジョンに欠如して、行動に先見の明のなさが見られる。オバマからトランプ大統領に変わった結果、世界規模で影響が見られるなど、米国政府と組織はその行動が予想しにくいところがある。

日本は、社会的、組織レベルでアメリカより柔軟性に欠けるが、長期的ビジョンを持つリーダーシップによって、コンセンサスのもと確立されたプランを堅持して、社会構造に従う能力が強い。短所は、プランが明らかにうまくいっていなくても、日本人はやり方を変えたがらない傾向がある。

どちらが優れているか?それは私にはわからない。しかし、この二つの違った世界、 私は自由に操作することができる。

例を挙げると、論争に溢れた競争の激しい国連で、ロウコンテクスト国家の代表者に引けを取らずに、自分自身を効果的に主張して、 アメリカ国務省の外交官などと、 堅い関係を築くことに成功した。ハイコンテクスト国家の代表者や国連職員、日本だけではなく中国、ロシア、ベトナムなどの国々と、信頼関係を深めることもできた。ウェルズファーゴ銀行で務めていた頃、アメリカ個人主義の環境をうまくナビゲートしながら営業の実績を上げ、仙台で津波被災者支援に励んでいた時は、日本国際飢餓対策機構の合意形成プロセスに貢献した。

日米両文化のモデルには、長所と短所がある。私は異なる両方の価値を最大限に引き出すことができる。

他の違いとして、上下関係とそれを反映する言語、男性像・女性像の定義、日常生活でのユーモアの役割などの違いもあるが、今回あえて触れないでおこう。

日米文化の違いについて、もっと奥深く話し合いたいのであれば是非連絡を。